題「レイ」
(原題"Ray")
2004年米 監督:テイラー・ハックフォード 主演:ジェイミー・フォックス
媒体:レンタルDVD
(あらすじ)
隔離政策真っ只中のシアトルに降り立った一人の黒人青年。
盲目だが耳が抜群に良く、杖なしでも歩き回れるこの男の名はレイ・チャールズ・ロビンソン。
後にレイ・チャールズとして名を馳せる男である。
シアトルの小さなバーで演奏を始め、3人編成のバンドで人気を集めるが、レコード会社が契約を持ちかけてきたことと、ギャラの問題で脱退。
ロスアンジェルスに渡り、バンドの一員としてツアーを始めるレイ。
しかし彼はずっとその間も、過去の出来事が原因である幻覚に悩まされ続けていた。
(感想)
彼が盲目だということを特に考慮しなくても、彼が天才だったということに異論はないだろう。
黒人音楽を進化させたレイ・チャールズの伝記映画である。彼の栄光とその影にあった苦悩や孤独、ドラッグ、女・・・。
盲目だったから見えたもの。盲目ゆえに虐げられたこと。それらをジム・フォックスは実に生き生きと、レイの魂を汲み取るように演じている。
彼はこの映画のためにレイと一緒に過ごしたり、1日14時間目隠しをして過ごしたりしたそうだ。またフォックスは3歳からピアノをやっているので、ピアノも全編に渡り彼自身が弾いている。
一見優等生タイプに見えなくもないレイだが、その人生は波乱に満ち、破天荒なものだった。特に女性関係は今のロックスター顔負けだ。彼女らからインスパイアされた曲も多い。
かってないほどソウルに満ち溢れた名画。熱演するフォックスの魂の叫びが聞こえてくるようだ。