「狙撃者/ボーン・アイデンティティ」
(原題"The Bourne Identity")
1988年米 監督:ロジャー・ヤング 主演:リチャード・チェンバレン
媒体:レンタルDVD
(あらすじ)
南フランスの小さな村、ポート・ノワールに住むドクター・ウォッシュバーンの元にある日一人の患者が運ばれてくる。
頭と腹部に銃創を負った彼を治療したウォッシュバーンは、記憶喪失となっていた男に不可思議な点がいくつもある事に気付く。
事故のせいではない整形手術の痕、臀部に埋め込まれていたマイクロチップ、何ヶ国語ものうわ言を呟き、拳銃を瞬く間に分解するー
自分はいったい何者なのか、リハビリにより徐々に回復していった男は村で自分を知っている男を見つけるが、危うく殺されそうになる。
身の危険を感じた男はチップの口座番号を頼りにスイスへ飛び、自分の名前が”J・ボーン”であることと、口座の預金が1500万ドルにも達していること、そして自分が狙われている事を知る。
追えば追うほど深まっていく謎。訳も解らぬまま、本能に従い彼は、自分の過去を探っていくのだが・・・
(感想)
後にマット・デイモン主演でリメイクされた、ロバート・ラドラムの最高傑作「暗殺者(The Bourne Identity)」の映像化作品。
原作をかなり忠実に再現し(実際、ほぼ8割以上が原作をそのまま映像化している)、尺は3時間を超える。
そのため本国では2回に渡りTV映画として放送された。
原作と比べリチャード・チェンバレンの実年齢がやや高すぎる気がしないでもないが、彼の体当たりの演技が功を奏し、銃撃戦では派手なスタントや爆発はないもののリアリティがありなかなかの迫力。
ベトナム戦争が絡んでくるので舞台を現代に移したデイモン版ではアレンジされたトレッドストーンやボーンの正体も描かれ、原作を読み返しているような気分に浸れた。
原作を読んでから観るもよし、観てから原作を読むもよし。「太陽がいっぱい」に対する「リプリー」的な位置づけの作品で、一見の価値あり。
<関連リンク>
[リメイク/リメイク元]
「ボーン・アイデンティティー」(第1作)
「
ボーン・スプレマシー」(第2作)
「ボーン・アルティメイタム」 (第3作)
(上3作、同原作の3部作をアレンジして映画化したシリーズ)