題「遥かなる大地へ」
(原題"Far And Away")
1992年米 監督:ロン・ハワード 主演:トム・クルーズ
(あらすじ)
19世紀末、英国の植民地となっているアイルランド。
百姓の息子のジョゼフは父と二人の兄と共に細々と暮らしていたが、
農民が地主への反乱を起こし、巻き込まれた父は死んでしまう。
さらに地主の部下は見せしめとばかりに彼らの家を焼き払う。
ジョゼフは銃を手に入れ地主への復讐を誓うジョゼフだったが、家に忍び込んだ途端に見つかり、成り行きから地主の娘のフィアンセと決闘する羽目に。
しかし、上流階級の生活を嫌う冒険好きの地主の娘に助けられそこを逃れたジョゼフ、二人で新天地アメリカへと向かうが・・・
(感想)
当時のアイルランド人の境遇、そして彼らがあこがれたフロンティア・アメリカの雰囲気が良く出ている作品。
導入部の短くも様々なメッセージが込められたドラマ、前半のちょっとラブコメちっくなほのぼのとした日常、それを経ての後半の展開は特に緩急に富んでおり、全編を通じて観客を飽きさせない。
安定感のある俳優達に脇を固められてのトム・クルーズとニコール・キッドマンの演技も瑞々しくていい。
建物や小道具、衣装だけでなく光の加減などテクニカルな面での雰囲気作りも素晴らしく、この辺は撮影の「バックドラフト」のミカエル・サロエモンの手腕も大きいだろう。ディズニーライクな、コメディ要素もある毒気の少ない映画だし、ラブストーリーの運び方が日本人好みなので万人にオススメできる作品。